あらすじ
コウタは、ヒーローみたいなやつだった。
いつもみんなの前に立って、笑って、手を伸ばしてくれる。
怖くて動けない時も、泣きそうな時も、絶対に置いていかない。
マアカにとって、コウタはずっとそういう存在だった。
けれどある事故の日、マアカを助けに来たコウタは、大怪我を負った。
それでも目を覚ました時、コウタはまた、ヒーローみたいに笑ってくれた。
だからマアカは信じていた。
いつかまた、あの頃みたいに戻れると。
しかし高校二年の春。
数年ぶりに街へ帰ってきたコウタは、もう笑わなくなっていた。
仮想空間で剣を交える競技、エリシャルブレード。
その前大会優勝者でありながら、コウタはエリブレの話すらしようとしない。
誰よりも前に立っていたはずの少年は、自分の中に閉じこもっていた。
なら、今度はアタシが前に出る。
マアカは、コウタが立っていたエリブレの舞台へ飛び込む。
コウタの代わりに前へ立ち、いつか必ず、もう一度あの舞台へ引っ張り出すために。
かつて自分を助けてくれたヒーローを、
今度はマアカが立ち上がらせる物語。