あらすじ
クラスでも職場でも目立たず、「モブ」と呼ばれていた青年、佐藤伊織。
事故で命を落とした彼は、女神の手違いで異世界へ転移する。
だが、与えられたものは何もなかった。
チート能力も、特別な武器も、異世界仕様の身体もない。
そのまま空から落とされた伊織は、湖に叩きつけられる寸前、魔法使いの少女ラナに救われる。
ようやく始まった異世界生活。
けれど、ギルドで判明したステータスは残酷だった。
全能力最低値でカンスト。
レベルは一から上がらない。
魔法は使えない。文字も読めない。
異世界で待っていたのは、夢の無双生活ではなく、ゴブリン相手にすら死にかける現実だった。
それでもラナに支えられ、伊織はこの世界で生きる理由を見つけていく。
しかし、ラナには幼い頃からの夢があった。
勇者パーティーに入り、世界を救うこと。
ラナは夢を追いかけ、伊織を置いて勇者パーティーへ向かう。
さらに勇者を名乗る男には、ただのモブとして踏みにじられた。
また、誰にも見向きもされない存在に戻った伊織。
そんな彼を見捨てなかったのは、口が悪くて素直じゃない女剣士、エリーだった。
最弱のまま、伊織は剣を取る。
奪われたものを、もう一度取り返すために。
これは、勇者ではなかったモブ転移者が、やがて“剣聖”と呼ばれるまでの物語。