あらすじ
僕には好きな人がいる。
幼馴染の仙波海里。眉目秀麗、成績優秀、人当たりもいい女の子。
以外にもかなり食い意地が張っており、小学生の頃は必ずお代わり出来るようにじゃんけんの練習をしていた。けれど、そんなところもチャーミングで可愛い。
因みに練習の成果はというと、それ以降僕の知る限り一度としてじゃんけんで負けている姿を見たことがない。
ここまで話して入れば気づく人もいるだろう。僕と海里は幼馴染だ。
とはいえ、僕は極々平凡な男子高校生。
海里と同じ高校に入りたくて中学時代は勉強を頑張っていたけど、結果は補欠合格でギリギリの滑り込み。
勿論運動も不得手で球技大会は晩年ベンチだ。
ハッキリ言って僕と海里じゃ全くと言っていい程釣り合いが取れていない。
このままじゃ不味い。
中学の頃から感じていた焦燥感は年を重ねるごとにどんどんと増していった。海里はいつもクラスの中心にいて一年にしてバスケ部のエース青山狼我やサッカー部のトリックスター遠藤周十と仲良さげに話している。
絶対あの二人も海里のことを狙っている。いや違う。クラスの、学年の、学校の男子生徒全員が海里のことを狙っている筈だ。
もしかしたら、女子生徒の中にも海里のことを狙っている人がいるかもしれない。
不味い。不味い。
僕にはなんの取柄もないのに周りにいるライバルたちはどんどんと成長していく。
僕の立ち位置は差し詰め序盤から出てきたはいいものの話が進むにつれインフレについていけなくなる少年漫画のサブキャラだ。
若しくはバトル展開が加速し、出番が無くなっていく日常系ヒロイン。
「ど、どうしよう…」
「どうかしたの?」
「わっ!海里」
僕が自分の席で頭を抱えていると海里が声を掛けてくれた。
「ううん、何でもない」
「?そう。ホームルーム終わったし、一緒に帰ろう」
「う、うん!」
海里はやっぱり優しい。他の男子や友達と帰るという選択もある筈なのに僕に声を掛けてくれるなんて!
でも…。
「僕なんかと、その、一緒に帰ってもいいの?」
「本当にどうしたの?
私が誠と一緒に帰りたいの!誠といると胸がポカポカするしね。」
胸がポカポカ?
これだ!
この瞬間僕の脳天に稲妻が走った。
※以前投稿させて貰ったものの脚本形式版となっています。
大筋は変わりませんが、終盤のみ少し修正する予定です。