あらすじ
幼馴染パーティの治癒師テオは、Cランク昇格の日に祝福スキルを授かる。
剣士の仲間は前へ進む力を。
魔法使いの仲間は火力を。
斥候も弓使いも、これから先の冒険で役立つ力を得た。
そしてテオに表示された祝福スキルは――【フライドチキン】。
治癒でもない。
防御でもない。
戦闘補助でもない。
意味不明なハズレスキルを理由に、テオはパーティから外されてしまう。
けれど、ひとりで受けた低ランク依頼で、テオは気づく。
硬くて買い取り不可の鳥魔物ツノコッコ。
それを自分で倒して火を入れた瞬間、なぜか肉が異常なほどうまくなったのだ。
「うっま」
そこからテオの検証が始まる。
高級鳥を買う。
普通の鳥を揚げる。
生け捕りの鳥にとどめを刺す。
血抜き、下処理、衣、油、炎魔法仕上げ。
散財の果てに見えてきた法則は、鳥そのものの格と、テオがどこから関わったか。
これはただの料理ではない。
鳥素材に祝福を乗せる、面倒で、金がかかって、脳汁が出る力だった。
そして、現時点最強のフライドチキンを作ったその時。
こんこんこん!
「テオさん! リリカです! このいい匂いはなんですか!?」
匂いにつられた明るい受付嬢リリカが、テオの部屋に襲来する。
追放された治癒師が、ハズレスキル【フライドチキン】で冒険者ギルドを胃袋から陥落させていく、異世界飯テロ成り上がりファンタジー。