あらすじ
はるか昔、この世界から〈太陽〉が失われた。
〈神〉と呼ばれる魔法使いは、〈太陽〉の力をある塔に封じ込め、世界の一部分を〈光源〉と呼ばれる球形のドームで覆い、世界を生き永らえさせた。
失われた〈太陽〉の力を宿したその塔は〈太陽の塔〉と呼ばれ、この世界に光と魔素を行き渡らせ、人々の暮らしの礎として、今も生き続けている。
〈太陽の塔〉が衰える時、人々の中から世界を救う救世主が現れる――それは、この国を支配する国教の重要な教義で、この〈太陽の塔〉が機能を果たし始めてから一度も途切れることなく続く伝統のようなものだった。
世界を救う救世主――人はそれを〈聖女〉と呼んでいる。
父を亡くした少女・セリスは、姉代わりのリゼルと二人で暮らしていた。
ある日〈聖宮〉からの使者が、リゼルを迎えにやってきた。
リゼルは次の〈聖女〉として選ばれ、〈太陽の塔〉へ捧げられることになったという。
世界のためにリゼルが捧げられることに納得がいかないセリス。
そんな彼女の前に一人の男が現れた。
彼はこの世界でただ一人、〈太陽の塔〉と〈聖女〉の仕組みに反逆する者だというが――。
世界のために自分の身を犠牲にすることを選んだ少女と、
彼女のために世界を壊すことを決めた少女の運命は――