あらすじ
【作品説明】
七夕の翌朝、神社で短冊を燃やす「処分係」をしている佐伯千鶴。
毎年のように他人の願いを灰にしてきた彼女の前に、今年だけ燃えない赤い短冊が残された。
そこに書かれていたのは、見覚えのある筆跡の一文。
「今年の夏祭りで、あの人をもう一度殺せますように」
それは、四十年前の夏祭りで消えた親友・すみれにまつわる、封じられた願いだった。
七夕、夏祭り、花火。
美しい夏の記憶の奥に隠された、少女の失踪と“名前を殺す”ための秘密。
燃えない短冊が、四十年前の嘘を静かに暴き出す。
【あらすじ】
七夕の翌朝、佐伯千鶴は神社で短冊を燃やしていた。
他人の願いを灰にする「短冊処分係」。それが、彼女の毎年の役目だった。
けれど今年、一枚だけ火にくべても燃えない赤い短冊が見つかる。
そこには、十二歳の頃の千鶴の筆跡でこう書かれていた。
「今年の夏祭りで、あの人をもう一度殺せますように」
千鶴の脳裏によみがえるのは、四十年前の夏祭り。
花火の夜に姿を消した親友、水野すみれ。
町では、すみれは川に落ちて死んだことになっていた。
しかし、施設にいる母は告げる。
「あの子は死んでない。逃がしただけ」
七夕の短冊に託された願い。
夏祭りの夜に消えた少女。
花火の音に隠された、大人たちの嘘。
燃えない短冊は呪いではなかった。
それは、四十年遅れで届いた、助けを求める声だった。