あらすじ
中学2年の夏、主人公の真壁蓮は、訪れていた田舎町で猛烈なゲリラ豪雨に見舞われ、古い廃寺へと逃げ込む。そこで全身濡れネズミになった同い年ほどの少女・秋月詩織と出会うが、声をかけた瞬間に彼女は陽炎のように消え去ってしまった。
それから10年後。24歳になった蓮は、再びあの田舎町の廃寺を訪れる。かつてと同じ激しい雨が降る中、蓮の前に現れたのは、10年の歳月を経て美しく成長した大人の詩織だった。
二人は10年前の「答え合わせ」を始める。あの日、詩織は近くの土砂崩れに巻き込まれて生死の境を彷徨っており、蓮が見たのは彼女の「生きたい」と願う魂の残像(生霊)だったのだ。お互いの存在を心の支えに10年間を過ごしてきた二人は、東京で再会し、急速に距離を縮めていく。
しかし、「いつかこの幸せな夢から覚めてしまうのではないか」という不安を抱えていた。再会から1年後、再びあの廃寺を訪れた二人は、激しい雨の中で互いの想いをぶつけ合う。蓮の命がけの抱擁と真っ直ぐな告白によって不安は消え去り、二人の心は強く結ばれる。雨上がりの空に架かる虹のように、二人は確かな未来へと歩み出す。