あらすじ
「青春などという幻想は、俺の世界には存在しない」
かつては青春の中心にいながらも、高校卒業とともに人との関わりを断った越谷虎音。大学で彼が求めたのは、誰にも干渉されないモノクロームの孤独だった。
しかし、そんな虎音の平穏は、強烈な個性を持つ幼馴染・有安有耶によって無残に打ち砕かれる。「女性嫌いのろくでなし」と罵り、物理的な制裁を加えてくる有耶は、虎音の日常に土足で踏み込んでくる。さらには、持ち前のトラブル体質で虎音を巻き込む「親友」手奈手奈手の存在も加わり、虎音の世界は騒がしいドラマとコメディに塗りつぶされていく。
かつての断絶と、現在に突きつけられる歪んだ感情。自ら「ろくでなし」を選んだ少年が、抗いようのない人間関係の中で、凍りついた心と向き合うことになる。これは、モノクロームだった世界に、再び鮮烈な痛みと色が戻る、愛と葛藤の物語である。