あらすじ
レインは十歳の天啓で、誰もがハズレと笑うスキル【記憶】を授かった。
戦えない。
強くもなれない。
村人からは「可哀想なスキル」と同情され、それでも両親だけは「ハズレスキルなんかじゃない」と励ましてくれた。
その言葉が嬉しくて、レインは本を読むことが大好きになる。
薬草学、歴史、魔法理論、魔物図鑑――そして誰も読めない古代語で書かれた魔導書まで。
【記憶】の力で二十年間読み続け、ついには古代語を完全に習得した。
もっとも、読めたところで使える魔法は一つもない。
結局、恋人もできず、気づけば三十歳。
酒場で笑い話のように語られる伝説――
「三十歳まで童貞なら賢者になる。」
そんな迷信、誰も信じていなかった。
……俺自身も、その瞬間までは。
『固有スキル【記憶】を確認』
『古代語習得率──100%』
『継承条件──達成』
『千年ぶりに資格者を確認しました』
これは、誰も信じなかった伝説を現実にした、一人の青年が世界最強の賢者となる物語。