あらすじ
暗い病室で、どこからともなく歯医者で使うようなバキューム音が聞こえる。
おかしい……。おれの記憶が穴だらけだ。妻がいたはずなのに、職場の同僚たちからは、「おまえは初めから独身だったろ。彼女すらいなかったのに。さては空気嫁か?」と、からかわれる始末。
もしやおれは、なんらかの脳の疾患ではないか?
真相を確かめるべく、脳神経外科へ受診に来た。そけなのに、担当医もどこか様子が変だ。
そのうち医師は脳についての講釈を垂れはじめた。
特定の匂いから過去の記憶や、それにまつわる感情を甦る現象をプルースト効果という。
そして幸福物質についての熱弁をふるうのだが、そのたびに耳障りなバキューム音がくり返される。
おれはますます記憶が失われていくのだった……。
※本作は夏のホラー2026企画作です。お題は『音』。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※AIに関して……アイデアは作者自身のオリジナルです。物語の整合性について意見を聞き、修正しました。文章の校正にも利用しました。