あらすじ

2037年、核融合炉が実用化された。エネルギー問題は解決された。しかし経済学者・桐島誠一郎だけが、静かに恐れていた。 「問題はここからだ」 エネルギーが安くなれば、あらゆる製造コストが下がる。そのなかには、水銀から金を作る「核変換」も含まれていた。三千年にわたって「価値の保存手段」として君臨してきた金が、工業的に生産できるようになる日が来る——。 誠一郎は2026年から2070年にわたる四十四年間、エネルギー危機、核融合の実用化、金価格の崩壊、そして「価値とは何か」という根本的な問いと向き合い続ける。石油文明の終焉、国際通貨体制の再設計、農地と技術をめぐる新たな覇権争い。世界が変わるとき、人間は何を信じればいいのか。 一人の経済学者の半生を通じて描く、近未来の「価値崩壊と再生」の物語。SF的なアイデアと貨幣論・エネルギー経済・地政学をベースに。 「経済は究極的には、人間が互いを信頼することで成り立っている」 技術が変えても、人間だけが変えられないものがある。 この小説は2026年以降の架空の歴史として書かれたフィクションです。

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カクヨム2026/07/01
  • 現在の作品錬金術師の経済学〜核融合が金を殺した日〜