あらすじ

「写真だけは、必ず削除すること」。 依頼書の備考欄に、その一行があった。 デジタル違品整理士の朝倉萌は、死者のスマホに残された35枚の写真を見つける。どれも同じ階段を写した、何も写っていない写真だった。 削除するべきか。 でもその削除ぼたん、朝倉は手を止めた。 依頼人は「全データ削除」を求める夫。 告発者は「削除しないで」と言う姪。 そして朝倉は、4ヶ月前に事故死した「妻」のスマホを、今も持っている。 写真は35枚。 全て、同じ階段を写しただけの写真。 でも朝倉は知っていた――データの裏側に、年の終わりに近いた記録があることを。 「削除する」か「残す」か。その選択が、すべてを変える。

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カクヨム
カクヨム2026/07/01
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