あらすじ
片瀬伊織には、会社の誰にも知られたくない夜の顔がある。
昼は目立たないように働く会社員。夜は渋谷のクラブで、酒と音楽と人の熱の中に立つホールスタッフ。副業禁止の会社に勤めながらも、元彼に押しつけられた借金を返すため、そして昼の自分では息がしづらい現実から逃げるため、伊織は夜の世界に身を置いていた。
ある土曜の夜、伊織はクラブのVIP席で久世環という男と出会う。軽くあしらったはずの彼は、海外事業部から戻ってきた上司として伊織の前に現れた。
秘密を黙っている条件として環が突きつけたのは、彼が率いる販促イベントプロジェクトへの参加。
休日出勤、地方出張、残業ありの逃げられない仕事。
強引で意地悪なくせに、環は伊織の仕事ぶりを認め、無理も強がりも見逃さない。
反発しているはずなのに、彼の言葉や視線は、少しずつ伊織の日常へ入り込んでくる。
そんな中、伊織の前に、かつて彼女を夜の世界へ連れ出した男が再び現れる。
昼の自分。夜の自分。隠してきた秘密と、置き去りにしたはずの過去。
境界線が崩れ始め、秘密から始まる、危うくて不器用な大人のオフィスラブ。