あらすじ
この町では、ときどき猫が人間になる。
そんな不思議な町の一角にある喫茶店。そこで働く金髪の店員・榊(さかき)は、誰にでも優しい「感じのいいお兄さん」だ。だが、彼には誰にも言えない秘密があった。彼の正体は、数万匹に一匹しか生まれない奇跡の【三毛猫のオス】のあやかし。生まれてくるはずのない運命(バグ)を持って生まれた彼は、人間の頭上に浮かぶ『残り寿命』を視る目と、それを売り買いして「商う」異能を持っていた。
心から強く望む者しか辿り着けない、深夜二時の新宿駅東口。昼間の優しい仮面を脱ぎ捨て、冷徹な「命の商人」となった榊のもとに、今夜も歪んだ執着を抱えた人間が境界線を越えてやってくる。
命を切り売りする人間と、人間の愚かさを知りながらも、静かに命を掬い上げる金髪のあやかしが紡ぐ、昼夜表裏のサスペンス。
※本作は、別連載の日常編(キジトラ)と世界観・お天気を共有する同時進行ストーリーです。昼の日常と夜の禁忌、両方を読むとより一層お楽しみいただけます。