あらすじ
22世紀を目前に控えた近未来。社会インフラからセキュリティに至るまで、世界は「ゼウス」「ハデス」「ポセイドン」と呼ばれるネームドAIからなる『オリュンポスシステム』によって完璧に管理・統治されていた。
そんな世界の裏側――地方都市のうらぶれた雑居ビルの地下深くにある真の中枢コントロールルーム。
そこで日本茶をすすり、咥え煙草でマイペースに働くアラフォーのお局社員・猿山今日子は、東都大出身のエリートでちょっとウザい後輩・犬井涼子との小気味よい掛け合いの毎日を送っていた。
しかし、絶対であるはずのシステムに異変が生じる。
最高峰のAI「ハデス」の謎の失踪。
それを機に、今日子の周囲で奇妙な事象が交差し始める。
歓楽街の片隅に現れる、時空を巡る不思議なBAR「ボイジャー」。
言葉を持たない天才ピアニストの少年と、喋る猫のぬいぐるみ。
月の兎に、太平洋の海底神殿の謎……。
無関係に見えた点と点のエピソードはやがて巨大なうねりとなり、今日子たちを「シンギュラリティの向こう側」へと引きずり込んでいく。
壮大な近未来SFサスペンスと、等身大のアラフォー女子の日常が交差する群像劇。
果たして、図太く生きる今日子は、世界の危機にどう立ち向かい、どう翻弄されていくのか?