あらすじ
不治の病に侵された私・シオリを救うため、天才技術者の夫アラタは私をコールドスリープの装置に入れた。
「必ず君を治す。目覚める時、僕が一番に迎えに行くから」
それから327年後。奇跡的に病が完治して目覚めた私に、五万人の移民を乗せた巨大宇宙船の管理AIは無情な事実を告げる。私の夫は、船を建造した後に寿命でとうの昔に亡くなったのだと。
絶望し泣き崩れる私を、AIはなぜか夫の口癖そっくりに慰め、過保護なほどに世話を焼いてくれる。姿のないAIとの奇妙で温かい共同生活。しかし、宇宙船が未曾有の危機に直面した時、AIは隠していた「真実」を露呈させる。
「僕が君を守る!」——スピーカーから響いたのは、死んだはずの夫の悲痛な声だった。
私が船の中枢コアで目の当たりにしたのは、夫の衝撃的な真実。彼は私が一人で目覚める未来を守るため、自らの肉体を捨て、脳をシステムに繋いで【宇宙船そのもの】になっていたのだ。