あらすじ
「──うん、いいよォ。いつまでも、どこまでも力を貸してあげるさ。お代はいつか、耳を揃えてちゃぁんと返してもらうから」
それが、嵐の先で仰いだ神の言葉だった。
神秘が今なお息づく時代。
絶海の孤島に生まれたリステリア王国第三王子、エディン。
世界最高の魔眼《蒼眼》を持つ彼は、その過分 な力ゆえに父王から「悪魔の子」と恐れられ、魔物の湧き出る処刑場【東塔】へ幽閉されていた。
飢餓と瘴気に苛まれ、生きるために魔物を喰らう日々。
それでもエディンは、《蒼眼》に映る人々の善性を信じ、いつか外の世界へ出ることを願い続けていた。
そしてある日。
自由奔放な冒険者イルクが塔の封印を破り、少 年を外の世界へ連れ出す。
仲間と出会い、迷宮へ潜り、剣を取り、初めて 自らの意志で進む道を選ぶエディン。
しかし、その旅はやがて彼を【勇者】の座と、 人と魔族が幾星霜にもわたり血を流し続ける大戦争
――<魔人戦線>へ導いていく。
極東の資源国家『迷宮都市国家』。
超大陸に秩序を敷く宗教国家『聖教国』。
神々の思惑と、心強い仲間たち
赤い情熱の剣姫。
異邦の強化を振りまく商人の少女。
異形の治癒師。
すっとぼけた天才魔法師。
星に焼かれた凡才。
「──だから僕は、嵐を踏み越えてきたんだ」
冒険と友情。依存と信仰。神と王。
これは、歪んだ愛を注ぐ神の掌の上で、やがて神を食らい、人の王となる少年の物語。