あらすじ
名前に力が宿る世界。灰色の灯火で怪異「欠名」を遠ざける灰燈街で、青年リク・ハルミは灯火修理屋として静かに暮らしていた。彼には、かつて聖刻院に恐れられた「零刻のノア」という過去名がある。もう誰も巻き込まないため、その名も力も捨てたはずだった。
ある夜、リクは自分を追う聖刻院の追跡官セラ・リュミエールを助けてしまう。セラはノアを捕らえる任務を負う一方で、自分の存在が少しずつ世界から削られていく「終刻」を抱えていた。
正体を隠したい修理屋と、彼を追わなければならない少女。灯火の街を襲う欠名、名を管理する聖刻院、そして消えかける名前。
静かに生きたかった男は、また誰かを守るため、捨てた名と向き合う。