あらすじ

山水画を得意とする雲水派の画生・沈小嵐(しん しょうらん)には、ひとつだけ致命的な欠点があった。 夢人や幻獣の顔を描くことが、とにかく苦手なのだ。 宮廷儀礼の一つ、顕現式を目前に控えたある夜。小嵐は画室に籠もり、龍の絵を必死に描いていた。しかし何度描いても顔が上手く描けず、半ば泣きながら筆を走らせていたその時――天井からひとりの男が降ってきた。 景淵(けいえん)と名乗るその男は、どこか描きかけの龍によく似ていた。 正体も分からぬまま彼を隠そうとする小嵐だったが、顕現式で事態は一変する。 彼女の描いた絵から現れたのは、愛嬌のある顔をした小さな幻想獣たち。そしてその幻想獣たちは、景淵の姿を見るなり一斉にひれ伏した。 ――景淵様。 その名は、宮廷の誰もが知る伝説の天龍の名だった。 風景画は天才的なのに、どうしても顔だけ描けない画生。 誰もが畏れる存在でありながら、その顔を気に入ってしまった古龍。 これは、誰も知らない顔を手に入れた天龍と、不器用な画生が紡ぐ中華恋愛幻想譚。

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カクヨム
カクヨム2026/07/01
  • 現在の作品『龍は私の描いた顔を愛している』