あらすじ
十歳の冬。
第一王子アルフレッドは、婚約者であり幼馴染でもあった公爵令嬢リリアを病で失った。
世界が終わったと思った。
――その夜までは。
「……泣き虫」
真夜中。
誰もいないはずの部屋で聞こえたのは、死んだはずの婚約者の声だった。
目の前にいたのは、棺に納めたはずのリリア。
驚くアルフレッドに、彼女は困ったように笑って言った。
「私ね。あと三十日だけ、こっちにいられるの」
それから毎晩、午前零時になるとリリアは現れた。
一緒に笑って。 一緒に泣いて。 そして少しずつ、残された時間は減っていく。
最後の夜。
彼女は涙を流しながら、こう告げた。
「十八年後、迎えに来て」
これは、十歳で最愛の人を失った王子が、たった一つの約束を信じて十八年間待ち続ける物語。
――そして、十八年後。 死んだはずの婚約者と、もう一度恋をする物語。