あらすじ
婚約破棄の理由は、第一王子いわく「君が怖いから」。
王城の夜会で一方的に婚約を破棄された公爵令嬢ヴァイオレット・ラングレーは、怒るどころか冷ややかに言い放った。
「腰抜けに用はありませんわ」
王都中に悪役令嬢と噂されながら領地へ戻った彼女が目にしたのは、汚く、臭く、治安も悪いスラム街。
そこでヴァイオレットは即決する。
「汚い。臭い。治安が悪い。全部壊しなさい」
婚約破棄の腹いせだと笑われても構わない。
だが、壊すだけでは終わらない。
仮設住居を作り、炊き出しを始め、番号札で住民を管理し、家を建て、水道を引き、下水道を整え、泥道を作り直し、悪徳商人と腐敗貴族を帳簿で叩き潰す。
「幸せになりたいなら、黙って私に従いなさい」
怖い。厳しい。容赦ない。
けれど、彼女は嘘をつかない。
やがて住民たちは気づき始める。
この悪役令嬢は、本当に自分たちを救うつもりなのだと。
一方、そんなヴァイオレットに興味を持った第二王子セドリックは、領地改革に巻き込まれながらも彼女の隣に立つことになる。
口を開けば喧嘩。
褒めれば睨まれ。
命令されれば言い返す。
それでも二人は、なぜか誰よりも噛み合ってしまう。
スラム改革はやがて領地改革へ。
領地改革は王都の腐敗を暴き。
ついには王国そのものを変える大騒動へ発展していく。
これは、婚約破棄された悪役令嬢が、腹いせでスラムを壊し、泥の街に家と水と仕事と未来を作り上げる物語。
そして、最悪に相性の悪い俺様王子と、口論しながら幸せになる物語。