あらすじ
誰かに見られているから、人は自分でいられるのかもしれない───
能登の小さな集落に残る、奇妙な仰。
誰もいない部屋へ、毎晩食事を供える。
"客人様”は、そこにいるのだという。
調査に訪れた民俗学専攻の大学院生・志村環は、村で少しずつ違和感を拾い始める。
揃いすぎた証言。
名前のない墓。
障子の向こうの食事の音。
やがて異常は東京へ広がる。
人の顔が覚えられない。
誰が誰かわからない。
認識そのものが霧のように崩れていく。
見られることで保たれる輪郭。
理解されることで削られる存在。
静かに世界が壊れていく、民俗SFホラー!