あらすじ

早く消えたかった私が、初めて、死なせたくない人に出会ってしまった。 奇跡を起こす力の代価は、己の燈――余命。焚けば焚くほど、寿命が燃える。妹がくれた時間で生き延びた私は、八年ずっと、勝って減ることに肩の力が抜けてきた。早く使い切ってしまいたかった。 そんな夜、自分の灯を消そうとする少女に出会う。やさしい顔で近づく者は最後に必ず奪う、と信じて救いを拒む子。触れた指のあいだに、ほどけない縁糸が一本、勝手に結ばれてしまった。 結ばれた二人の燈は、双方向に連動する。私が焚けば、この子からも引かれる。片方が尽きれば、もう片方も道連れ。 与えすぎる私と、拒みすぎるあの子。生かそうと勝つほど、二人は一緒に死へ近づく。 死にたがっていた私が、いま、初めて思ってしまった。この冷たい手を、離さない。 減らさずに勝つ道を、私はまだ知らない。

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小説を読もう2026/06/30
  • 現在の作品『勝つほど、命が縮む――それでも私は、頂を獲る』