あらすじ
借金に追われる二十六歳の橘蓮は、優勝賞金三百万円が懸かった「水鏡杯女子空手選手権」への不正出場を企てる。周到な偽装によって「天宮澪」という女子選手になりすまし、卓越した空手の技術で勝ち進む蓮だったが、対戦相手として現れた早乙女律は、澪の経歴や戦い方に不自然な点があることに気づき始める。
男らしい装いを選びながらも、自分の名前と実力で競技に立つ律。誰にも本当の自分を見せず、勝利と賞金だけを求める蓮。決勝へ近づくにつれ、二人の対立は単なる勝敗を超え、「何のために空手をするのか」「他人の努力を踏みにじってまで得る勝利に価値はあるのか」という問いへ変わっていく。