あらすじ
『交際0日婚――隣に住むシングルマザーと、静かな家族になりました。』
柿沼榮助(18)は、一人暮らしをする高校三年生。
人付き合いは得意ではなく、静かな毎日を淡々と過ごしていた。
そんな榮助の日常は、隣室に住むシングルマザー・柊木菫(29)と、その娘・桜(5)との出会いによって少しずつ変わっていく。
忘れ物を届けた朝。
雨の日の帰り道。
エレベーターの中で交わす短い会話。
最初は、ただの隣人だった。
だが、無邪気な桜は次第に榮助へ懐き、菫とも自然に言葉を交わすようになる。
やがて三人は食卓を囲み、休日を一緒に過ごし、同じ時間を共有するようになっていった。
特別な理由があったわけではない。
ただ、そこにいることが自然だった。
しかし、シングルマザーとして生きる菫には、仕事や子育て、将来への責任があった。
そして菫は、現実を見据えた末に榮助へ結婚を提案する。
交際期間ゼロ。
突然の申し出だった。
それでも榮助は、その提案を受け入れる。
――もう、この親子のいない生活を想像できなくなっていたから。
こうして始まった秘密の新婚生活。
高校卒業後、二人は同じ大手企業《株式会社・龍雷神》へ入社する。
だが会社では、夫婦であることを隠し、“ただの同僚”として振る舞うことを決めていた。
会社では他人。
家では夫婦。
そして桜にとっては、かけがえのない家族。
朝の「行ってきます」のキス。
三人で囲む食卓。
休日の旅行や公園での穏やかな時間。
そんな何気ない日々の中で、二人は新しい命を望み、やがて菫の妊娠が判明する。
秘密の結婚、秘密の妊娠。
さらに、菫の元夫との再会――。
様々な出来事を乗り越えながら、榮助、菫、桜は少しずつ“本当の家族”になっていく。
これは――
十八歳の青年と二十九歳のシングルマザー、そして五歳の少女が紡ぐ、交際期間ゼロから始まった静かな家族の物語。
その日常の先に待つ未来を、まだ誰も知らない。
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【投稿予定】
毎週月曜日〜金曜日 12:00更新予定