あらすじ
大学の夏休み、退屈な日々を送る青年・蓮(れん)の前に現れたのは、昭和十八年の戦火からタイムスリップしてきた10歳の少女・幸(さち)だった。もんぺ姿で怯える彼女が握りしめていたのは、残り時間が刻まれた『あと七日』という日めくりカレンダーの切れ端。飽食の現代、夜でも太陽のように明るい街並み、甘いお菓子――。蓮が教える「天国のような未来」に触れ、幸は少しずつ笑顔を取り戻していく。しかし、二人が心を通わせるほどに、幸の身体は夏の陽炎のように透き通っていく。1週間が経てば、彼女はあの過酷な戦火の時代へと帰らなければならないのだ。「お兄ちゃんに繋がる未来のために、私、笑って生きるね」そう約束して光の中に消えた少女の安否を、蓮はずっと探し続けていた。そして長い年月が流れたある日、大人になった蓮は、一人の小さなおばあちゃんに出会う。彼女の手には、あの夏、二人が描いたクレヨンのスケッチブックが握られていた――。――10歳の彼女と過ごした「7日間」の記憶が、80年の時を超えて今、最高の奇跡を起こす。涙が止まらない、切なくも美しい時をかける恋の物語。