あらすじ
文明は滅びなかった。
だが、人間は少しずつ、人間らしさを失っていった。
荒廃した世界を旅する元AI研究員と、自立型AI《Δ-3(デルタスリー)》。
「自己犠牲とは何ですか」
「友情とは何ですか」
「人はなぜ約束を守るのですか」
AIは答えを知っている。
それでも、人間の心だけは理解できない。
だから問い続ける。
旅の中で交わされる何気ない会話。
失敗だらけだったAIの思い出。
そして、人間だけが抱える、答えのない感情。
これは戦いが主役の物語ではない。
一人の男と一台のAIが終末世界を旅しながら、「人間とは何か」を語り合うSFロードノベル。
問いを重ねるたび、AIは少しずつ人間へ近づき、人間は忘れかけていた「心」を思い出していく。
最後に残るのは、知識か。
それとも、人間らしさか。
終末の荒野を歩く、一人と一機の静かな旅が始まる。