あらすじ
「一級魔法使いになれなかった君に、公爵家の妻は務まらない」
魔法学院を次席で卒業した伯爵令嬢シャーリー・ドットは、婚約者からそう告げられ、あっさり婚約破棄されてしまう。
けれど、実はシャーリーは一級魔法使い試験に落ちたわけではなかった。
ただ、試験会場を間違えただけ。
そして間違えて受けた先で、料理人最高峰の資格――特級厨師に合格していたのだ。
「十年後の試験を待つより、今おいしいものを作りたいです」
そうして料理人として生きることを決めたシャーリーは、王宮料理大会で優勝し、王宮厨房へ招かれる。
疲れ切った国王には胃に優しい卵粥を。
夜勤続きの魔術師団には魔力回復の軽食を。
魔瘴毒に苦しむ避難民には、食べられるためのとろみ粥を。
本人はただ「食べる人に合った料理」を作っているだけなのに、なぜか国王の胃袋を掴み、救国食堂を開き、ついには魔王城で魔王にまでご飯の大切さを教えることに。
一方、魔法学院首席卒業の一級魔法使いナターシャ・キンスキーは、シャーリーの本当の実力を知る唯一の人物。
「一番になれないんじゃない。一番にならない女なのよ!」
料理で国を動かしていくシャーリーに、ナターシャの胃痛は今日も止まらない。
婚約破棄された料理好き令嬢が、無自覚に国を救っていく。
そして、彼女を勝手にライバル視していた首席魔法使いと、いつの間にか友達になる。
料理魔法×婚約破棄×勘違いコメディ×女の友情ファンタジー。