あらすじ
「ここは涼しさの楽園だ。棲んでいるのは、おじいちゃんたちと――狸」
小学校最後の夏休み。一花(いちか)は、涼を求めて田舎のおじいちゃんの家に行った。
山道を車で走っていると、一匹の幼い狸を轢いてしまう。
「おまえが悪い」
虫の息の子狸を、おじいちゃんとおばあちゃんが、そう吐き捨てる。
「狸はわるい生き物だから、こうしないと祟るんだ」
そう言って死骸を足蹴するふたり。
そして一花は、都会と違って肌寒く、暗闇に満ちた夜を迎える……
*
テーマは「異質さ」。
田中貢太郎作品を参考に。流血表現などあります。