あらすじ

高度経済成長の波に乗り、整然と敷き詰められたアスファルト。 現代科学の粋を集め、何不自由なくシステム化された地方都市、Q市。 市民は誰もが疑わない。自分たちの踏み締めている地面が、明日も変わらず強固であるということを。 だが、都市が洗練され、人々が便利で孤独な日常を営むその裏側で、行き場を失った澱が静かに溜まり続けている。 満員電車のストレス、SNSに渦巻く嫉妬、誰にも顧みられない怨嗟、そして存在ごと社会からこぼれ落ちていく孤独は行き場を失って渦巻いているのだ。 歪みは都市のほんのわずかな「過去の綻び」や「書類の隙間」を見つけたとき牙を剥く。 警察も通常の相談窓口も現代科学すらもさじを投げたこれら異形の超常現象。 だが、この街にはそれらを事務処理として解決せんとする男たちがいた。 市民庁舎の最上階、九階の最奥にひっそりと佇む部署。 表向きの顔は、原因不明の市民トラブルに親身に対応する臨時の窓口、「トラブルレス救・解決課(通称:キューカイ)」。 しかし、その実態は――。 現代科学の枠に収まらない怪異を、市の法論理を駆使した書類の定義上書きと、命がけの現場処理によって解決する、市役所トップシークレットの特殊機関『超常探求・怪異現象対策課』。 略してキューカイ。 沈着冷静に経験則と書類遵守の精神で統率する館田課長。 ロジカルシンクとデータ重視で怪異をハッキングする城。 己の肉体と現場主義で境界線を死守する行動派の古和粂。 「私たちは怪異を退治するんじゃない。『正常な市有地の維持管理業務』を行うんだ」 これは、社会の闇から溢れ出る不条理から「市民のありふれた日常」を守るために戦い続ける公務員たちの記録である。

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エブリスタ
エブリスタ2026/06/29
  • 現在の作品こちらトラブルレス救・解決課