あらすじ
浅倉哲弘(あさくら・てつひろ)は、21歳にして独自開発の投資AIで莫大な利益を叩き出すスタートアップ企業の天才CEO。彼の人生はすべて、数式と確率論によって完璧に支配されている――はずだった。
ある春の日、大学のキャンパスで一人の美しいオメガ、蓮見絢(はすみ・じゅん)と衝突したことで、哲弘の完璧な脳内CPUはフリーズする。それは、現代の生物学において数億分の一の確率で発生するという『運命の番』だった。
白百合の匂いを纏い、首元に古い抑制カラーを巻いた絢には、ある「暗い過去」があり……?
実家の母を取り巻く騒がしい大人たちを巻き込みながら、若き天才アルファが人生最大の『投資(初恋)』にすべてを賭けて挑む、甘くてカオスなオメガバース・スピンオフ!
【登場人物紹介】
■ 主要人物
浅倉 哲弘(あさくら てつひろ)/ 21歳・α(アルファ)
大学に通いながら、自興したIT企業のCEOを務める若き天才投資家。経済学とリーガルマインドで生きる冷徹な合理主義者……だったが、絢に出会ってからは一途で狂気的な独占欲を発揮する。中学のバース検査でアルファと判明して以降、ぐんぐんと背が伸び、今では大男二人(御堂・鮫島)と並ぶ体躯を持つ。
蓮見 絢(はすみ じゅん)/ 21歳・Ω(オメガ)
美術系の専門書やスケッチブックを抱える、息を呑むような超美形。哲弘の母(馨)の面影をどこか彷彿とさせるキリッとした涼しげな目元を持つが、その奥には儚い影がある。首元には少し古びた革製の抑制カラーを巻いている。雨上がりの夜にひっそりと咲く白百合のような、ひどく冷ややかで甘いフェロモンを放つ。
浅倉 馨(あさくら かおる)/ 51歳・Ω(オメガ)
哲弘の母。下町の中華料理屋『大龍』でアルバイトする、猛々しくも気高きオメガ。哲弘が世界で一番愛し、尊敬している存在。大人二人からの高級な貢ぎ物を一蹴しては正座させるのが日常。
御堂 公介(みどう こうすけ)/ 47歳・α(アルファ)
敏腕弁護士。馨のことが好きすぎて、現在は哲弘の会社の筆頭株主として「リーガル投資」を行っている。哲弘にとっては中学生の頃からの格好の資金源。
鮫島 烈(さめじま れつ)/ 38歳・α(アルファ)
現役警察官。バキバキの胸筋を持つ体力バカ。御堂と同じく馨にベタ惚れで、哲弘の会社の株主。何かと理由をつけては『大龍』の警護(不審なパトロール)をしようとする。
天国の父ちゃん
馨の最愛の旦那であり、哲弘の父親。いつも賑やかな家族を見守っている。