あらすじ
秋月 衛(あきづき まもる)は、33歳の臨時教師だ。
久々の教育現場は、私立 凪潮学園(しりつ なぎしおがくえん)に決まった。
大学で同期だった宇都宮が教頭を務める、地方都市の有名学校だ。
初登校の日、校内を歩いていた衛は印象的な少女に出会う。
この学園の中等部に通う、早乙女 希良(さおとめ きら)だ。
ピンクの髪や、盛った睫毛、派手なネイルなどから察するに、彼女はギャル。
しかし、片方だけ見せている瞳は澄んできれいだ。
衛は迷うことなく、希良に学校の案内を頼んだ。
教頭の宇都宮は衛の到着を喜んだが、疲労の色が隠せない。
4月に、この学園で猟奇的な殺人事件が起きたのだ。
被害者は男子生徒で、遺体からは肝臓が抜き取られて、石で叩き潰されていたという。
旧友をねぎらう衛だったが、この事件に奇妙な違和感を覚えていた。
もうひとつ、衛の気がかりは希良だ。
希良の周りには友人の黒ギャルたちがいて、彼女はそのリーダーのように振舞っている。
衛はそんな希良が、無理をしているように見えてならない。
年上らしく心配する衛だ。
一方で希良も、この風変わりな教師である衛が、気になって仕方がない。
理科教師で特に生物が好き、という衛は、カマキリがクモを食べているさまを見て興奮するのだ。
ドン引きしたが、興味があることに対して自分を偽らずにいる彼に、一目置いた。
しかし今度は、授業でカエルの解剖をする、と言うのだ。
やはりドン引きしたが、自己において筋を通す衛の姿は、頼れる年上の男性に見えた。
衛と希良、二人の学園生活には、やがて連続殺人事件がまとわりつくようになっていく……。