あらすじ
婚約破棄された呪文仕立て師は、辺境公爵に「君の声でしか眠れない」と囲われる
〜妹に聖女の座を奪われましたが、私の縫ったドレスだけが王国の呪いを解けるようです〜
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伯爵令嬢セレナは、王太子の婚約者として十年間、王宮の聖衣や祭礼衣装を仕立ててきた。
けれど舞踏会の夜、王太子は大勢の前でセレナとの婚約破棄を宣言する。
新たな婚約者に選ばれたのは、華やかな聖女として持て囃される妹リリアだった。
「君のように陰気な女より、リリアの方が王妃にふさわしい」
家族にも庇われず、追放同然に王都を出たセレナ。
雪道で倒れた彼女を拾ったのは、北境を治める冷酷公爵ヴィクトルだった。
戦場の呪いに侵され、夜ごと悪夢に苦しむヴィクトル。
どんな聖女も魔術師も彼を救えなかった。
けれど、セレナが縫った一枚の布だけが、彼の呪いを鎮める。
「君を雇う。俺のために縫え。対価は払う。居場所も、工房も、君の名誉も用意する」
契約から始まった二人の関係。
だが、セレナの縫う夜着と、彼女の声だけがヴィクトルを眠らせるうちに、冷酷だった公爵は彼女を手放せなくなっていく。
一方その頃、王都では異変が起こり始めていた。
神殿の聖衣は裂け、結界石は濁り、妹リリアの聖女魔法では何ひとつ救えない。
なぜなら、王国を守っていたのは妹ではなく、セレナが縫い続けてきた呪文仕立てだったから。
今さら戻れと言われても、もう遅い。
私を捨てた王都より、私の名前を呼んでくれる辺境で生きていきます。
これは、すべてを奪われた呪文仕立て師の令嬢が、冷酷公爵に溺愛されながら、自分の価値を取り戻し、王国の呪いをほどいていく物語。