あらすじ
《地球上の生命量には上限があり、我々はいくつかの地域において既にその上限に達してしまったようだ》
この衝撃的な結論が人類にもたらされたのは、21世紀の半ば頃の事であった。突如大きな変革を迫られた世界において、各国指導者たちは人口の平均化という重大な合意を達成する。日本も各国から数多くの移民を受け入れ、生命リソースは飽和するに至った。子供の出産は国の許可無しに行なってはならない、動物の飼育には例外なく国家資格と厳格な管理が必要、というような枷を掛けられた社会に対する人々の不満は蓄積し、やがてその不満は生命リソースを人々に解き放つことで自由な世界を実現しようとするテロの発生に繋がってしまう。
数千万を超える人々の命を消し飛ばした「解放事件」から25年。
この世界に『人を愛する』ことを至上命題とする生体アンドロイドとして生まれ落ちた相田健人は、勤務する「終の住処」で沢山の人々が一瞬にして命を奪われるという凄惨な場面に立ち会うこととなる。愛するひとの助け、大切なひとが遺してくれた教え、行方不明の父との思い出、そして自らの使命に導かれ、健人は解放事件の解決に向けて動き出す。