あらすじ
類稀なる刺繍の技術を持ちながらも、生家でも婚家でも虐げられてきたフィルミジアーナ。冷酷な夫ゼルフュリオン伯爵は、我が儘な愛妾ガルドラニアを本邸に迎え入れ、フィルミジアーナに突然の離縁を突きつける。
「無能な女など我が家に不要だ」と雨の中に放り出された彼女を救ったのは、かねてより彼女の才能に目を留めていた隣国の若き公爵ヴォルヘイムだった。
新天地でその才能を開花させ、社交界の寵児となっていくフィルミジアーナ。一方で、彼女という「内助の功」と「真の財産」を失ったゼルフュリオンの領地は、愛妾の浪費と愚策によって急速に傾いていく。
ついに破滅を迎えた元夫が彼女のもとへ縋り付くが、そこには誰も予想しなかった驚愕の真実が待ち受けていた。