あらすじ

NBAドラフトは、世界中の化け物たちが名前を呼ばれる夜である。 一巡目の若者たちは、光の中にいる。 家族と抱き合い、帽子をかぶり、カメラの前に立つ。 だが、二巡目の下位は違う。 二巡目五十九位。 それは、栄光の順位ではない。 名前は呼ばれる。 けれど、誰も待ってはいない。 トレイ・カウフマン=レンが呼ばれた瞬間の映像を、筆者は見つけることができなかった。 皮肉なことに、その夜、彼を指名したチームには、別のスーパースターがやって来ようとしていた。 画面は、そちらを追う。 トレードの字幕が流れる。 解説者たちは、その話をする。 リーグの未来を変えるかもしれない男の名前が、画面を占める。 その陰で、五十九位の青年の名が呼ばれる。 トレイ・カウフマン=レン。 二メートルを超える身体を持つ、バスケットボール選手。 そして、哲学を学ぶ男である。 なぜ、NBAを目指す男が哲学を学ぶのか。 なぜ、画面に残らなかった男の物語を書くのか。 これは、哲学するバスケットマンが、NBAドラフト59位へたどり着くまでの物語である。 ※本作は、公開情報をもとにした物語です。実在の人物・団体・出来事を題材にしていますが、会話・心理描写・場面描写の一部には、筆者による解釈と再構成を含みます。

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カクヨム
カクヨム2026/06/29
  • 現在の作品ビリから2番目の哲学者 ――NBAドラフト59位までの物語――