あらすじ
人を好きになることは、素敵なことです。
親会社の娘は、そう信じていた。
下請け会社の娘である私は、そう答えるしかなかった。
私には恋人がいた。
家のため、会社のため、従業員のために多くを諦めてきた私が、ただ一つだけ自分で選んだ人だった。
けれど、その恋さえも奪われる。
笑顔で祝福の言葉を口にしながら、私は心の中で呪っていた。
人を好きになることは、素敵なことです。
──それが、人のものじゃなければ。
親会社と下請け。
家と恋。
奪う側と、奪われる側。
これは、最後まで恋人でいようとした二人の話。