あらすじ
大梁国では、女は科挙を受けられず、官吏にもなれない。
それでも柳青蘭は、死んだ兄・柳青嵐の名を借り、男として御史台に立っていた。
父は無実の罪で処刑され、兄も都へ向かう途中で命を落とした。
真実を記録し、法で悪を裁くため、青蘭は胸を布で潰し、声を低く作り、今日も腐った朝廷の帳簿に朱筆を入れる。
そんな彼女が追うことになったのは、貧しい村に届くはずだった救済米の横流し事件。
証拠は揃っていた。
帳簿の矛盾、偽造された印、消えた米、そして勇気を出して証言した老人。
だが、老人は井戸に落ちて死んだことにされ、調書は火に投げ込まれる。
「裁けぬなら、殺せばよい」
絶望する青蘭の前に現れたのは、黒衣の美しい毒神・烏露。
彼は青蘭の怒りに甘く囁く。
悪人を毒で殺せば、民は救われる。
けれど、死体は証言しない。
毒は悪を殺せても、奪われた真実までは取り戻せない。
記録を改竄し、死者に罪を着せ、現実そのものを書き換える黒幕・張徳海。
そして、その背後に座す腐敗した皇帝。
青蘭は毒神の誘惑を拒み、証拠と帳簿と声なき者たちの証言で、腐りきった朝廷を法廷へ引きずり出す。
女の声が証拠にならない国で。
死んだ兄の名を借りた女官吏が、朱筆一本で皇帝まで裁く、中華風宮廷ざまぁファンタジー。