あらすじ

あらゆる公共サービスが都市の統合OS《ORDO(オルド)》によって最適化された、近未来の東京。市民は知らぬ間に「信用」と「居住の正当性」をスコア化され、基準を下回った者は、住所・就労記録・保険資格などのすべてを自動的に「保留」へと落とされる。法的には生きているが、システム上は存在しない者――半ば冗談で404市民と呼ばれる彼らは、効率化の波に押され、誰に殺されるでもなく社会から静かに消去されていく。 市役所の外郭機関《都市境界対策室》に所属する橘 灯(たちばな・あかり)は、遺留品から持ち主の言えなかった感情や「残音」を聴く異能を持ちながら、日々そうした圏外案件を回収していた。そんな彼女のもとへ、かつて《ORDO》の初期設計に関わり、数々の圏外者を生み出した元凶でもある冷徹なシステムエンジニア、冬城 理(ふゆしろ・おさむ)が出向してくる。 ある雨の夜、川から引き揚げられた一人の少女の遺体。彼女のスマホに残された、存在しないはずの住所「404番地」。 目の前の一人を絶対に諦めない灯と、社会を狂わせる構造そのものを止めようとする理。真逆の二人がバディとなり、効率化の名の下に不可視化された弱者たちの消された痕跡を拾い集め、その名前を取り戻していく近未来現代異能ミステリー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/06/29
  • 現在の作品404の街で、きみの名前を回収する。