あらすじ
売れないマジシャン・十三湊かなえ。鳩は出ない、鯖缶は出る。だが東北の女系の血が、ときどき視てしまう。
アカデミアを追われた民俗認知科学者・鴨田茂樹。論文に「歴史改変」と書いて職を失った、顔の濃い男。
二人が向かうのは、地図から消えた場所ばかり。忘れられた港、人の死ぬ島、鬼の棲む山。そこには必ず死体があり、必ず誰かが「神様のせいだ」と言う。
かなえはタネを見破る。志茂田は伝承を掘り当てる。たどり着くのは、インチキの奥に本物が、本物の奥に人間の業が眠っているという、もっと厄介な真実だ。
奇跡は高い。手品は安い。だから、ときどき人を救う。これは供養と観光、霊媒と詐術。その境界を、笑いながら、たまに泣きながらハントするフィールドノート。