あらすじ

かつて地図から消えた県があった。

石川県と富山県の県境。

現在は厳重に封鎖された禁域。

その名は――石山県。

存在するはずのない県。

立ち入ってはならない県。

しかし毎年、何人かの人間が迷い込む。

旅行者。

配信者。

記者。

失踪者を探す家族。

そして好奇心に駆られた者たち。

彼らは共通して、ある花を目撃する。

夜にだけ咲く花。

夢喰い花。

その花を見た者は夢を見る。

美しい夢。

懐かしい夢。

叶わなかった願いの夢。

だが夢から目覚めることはない。

残された記録には、いつも同じ言葉だけが残されていた。

⸻

喰われる

喰われる

喰われる

それが最期の思考ログだから

⸻

そんな怪異が広まり始めた頃。

野花たちは異変に気付く。

夢喰い花はこれまでの怪異とは何かが違う。

怨念でもない。

呪いでもない。

都市伝説でもない。

まるで石山県そのものが生み出した新たな生命のようだった。

やがて少女たちは新たな怪異談に出会う。

⸻

堕ち記者

消えた真実を追い続けた新聞記者。

彼が残した最後の記事には存在しない文字が記されていた。

⸻

半額弁当

深夜のコンビニに現れる値引きシール。

貼られた商品を買った者は翌日から夢を売るようになる。

⸻

スキマジョ

壁と壁の隙間。

ドアと床の隙間。

世界の狭間に棲む女。

彼女は「見つけた」と囁く。

⸻

ハチ福神の額縁

八柱の福神が描かれた古い額縁。

だが見るたびに神の数が減っていく。

最後の一柱が消えた時、額縁の外から何かが現れる。

⸻

これは、

怪異を追う者たちの物語。

怪異を語る者たちの物語。

そして。

夢喰い花に魅入られた少女たちが紡ぐ、

新たな霊和怪異譚である。

霊和怪異譚 野花と野薔薇Ⅲ

夢喰い花

あなたも次第に取り憑かれて喰われるだろう

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/06/29
  • 現在の作品霊和怪異譚 野花と野薔薇Ⅲ 夢喰い花