あらすじ
俺には密かな憧れの人がいる。
第三騎士団を率いる団長、ナターシャ・ヴァレンティアだ。
長身で美人。剣の腕は王国随一。
自他ともに厳しく、戦場では誰よりも頼もしい。
部下たちは口を揃えて言う。
――格好いい。
――近寄りがたい。
――まるで氷の女王だ。
だが、俺だけは知っている。
彼女は本当は不器用で、誰よりも仲間思いで、頑張り屋な女性だということを。
そんなある日。
俺は人目を避けるように泣いているナターシャ団長を見つけてしまう。
理由を聞けば、婚約者に浮気されたらしい。
しかも原因は、
「可愛げがないから」
だという。
……いや、待ってくれ。
団長は十分可愛いだろう?
泣き顔も、照れ顔も、たまに見せる笑顔も。
むしろ可愛いの塊なんだが?
こうして俺は、自分の気持ちを自覚しないまま、落ち込む団長を慰めるために「可愛い」を伝え続けることに。
けれど、そのたびに顔を真っ赤にして慌てる団長が可愛すぎて――。
これは、無自覚なわんこ系副団長の俺が、誰よりも格好いい女騎士団長の本当の魅力を見つけ出し、やがて恋に落ちていく物語。
そして気付けば、射止められたのは俺の方だった。