あらすじ
「誰も殺していないのに、人は死ぬ」
過労死、自殺、孤独死。
それらはしばしば自己責任として処理され、記録だけが静かに積み上がっていく。
そんな世界で、特殊な能力を持つ二人の少女がいた。
彼女たちは、死の直前に被害者が見た「最後の三十分」を追体験することができる。
一見すれば、事件の真相を暴くための異能。
しかしその力が暴き出すのは、明確な殺意ではなかった。
ブラック企業の過重労働。
切り捨てられる福祉制度。
見て見ぬふりをする職場と家族。
そして、孤立し続ける個人。
そこに犯人と呼べる存在は、いない。
だが確かに、その死は「作られていた」。
「誰も殺していない。でも、確かに誰かが死んだ」
その矛盾と向き合いながら、価値観の異なる二人のバディは衝突し、迷い、それでも真相に手を伸ばしていく。
これは、見えない暴力に形を与えてしまった世界で、それでも「誰のせいでもない死」を救おうとする物語。