あらすじ

間部に位置する閉鎖的な村・奥津村には、奇妙な失踪事件の言い伝えがあった。森の奥にある「逆さ鳥居」に近寄った者は姿を消し、必ず三日後に無傷で帰ってくるという。二十一歳の大学生・木沼田裕一郎もまた、その失踪事件の被害者の一人だった。五歳の頃に行方不明となり、発見されたのち家族と東京へ移り住んでいる、祖母の訃報を受け十六年ぶりに故郷へ戻った裕一郎だったが、村人たちはどこかよそよそしく、奇妙な視線を向けていた。失踪事件の真相を探るうちに、裕一郎は村人たちが「あの日帰ってきたのは本当の裕一郎ではない」と考えていることを知る。逆さ鳥居とは何なのか。失踪した三日間に何が起きたのか。そして自分は本当に木沼田裕一郎なのか。村に隠された怪異と向き合う中で、裕一郎は自分の存在そのものを問い直していく。人を人たらしめるものは肉体なのか、魂なのか、それとも積み重ねてきた人生なのか。これは、一人の青年が自らの在り方を見つめ直す物語。

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小説を読もう2026/06/28
  • 現在の作品逆さ鳥居