あらすじ

「君の陰気なハープの音色より、セレナの明るい歌声の方が王宮に相応しい」――四十九回目の公衆の面前での侮辱。それは、私がずっと待ち望んでいた『解放』の瞬間だった。 公爵令嬢リラ・フォンターナは、魅了魔法に操られた婚約者・アルベルト殿下から三年間、数えきれない屈辱を受け続けてきた。窓辺でひっそりとハープを奏でる『可哀想な令嬢』を演じながら、この日を待っていたのだ。 婚約破棄を告げられ、堂々と指輪を返したその時――大広間に現れたのは、隣国ヴェルディアス帝国の若き皇帝。 「――見つけた」 彼が探していたのは、十年前、遭難した幼い自分を救った『月の調べ姫』。その正体が、今まさに婚約破棄されたリラだと知った皇帝は、彼女に手を差し伸べる。 窓辺に閉じ込められていたハープの音色が、ようやく世界へ羽ばたく時が来た。 これは、四十九回の無礼に耐え抜いた令嬢が、本当の居場所を見つけるまでの物語。

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小説を読もう2026/06/28
  • 現在の作品婚約破棄されましたが、四十九回目の無礼でようやく解放されましたので、窓辺のハープと共に隣国へ参ります