あらすじ
「役立たずの盲目王女」と蔑まれ、恐ろしい化け物が住むという魔族の国へ「生贄の花嫁」として追放された王女アリシア。
しかし、彼女は決して盲目ではなかった。
彼女の瞳は、物理的な姿ではなく『魂の真実の姿』だけを視る異能の眼。人間の王や貴族たちの魂が、欲望にまみれた醜悪な肉塊や醜い怪物にしか見えなかったため、恐ろしさのあまり「目が見えないふり」をして息を潜めて生きてきたのだ。
死を覚悟して辿り着いた魔族の国。だが、そこで彼女を優しく出迎えた魔王ゼクスや、異形の姿をした魔族たちの魂は――息を呑むほどに純粋で美しい『人間の姿』をしていた。
「ゼクス様、あなたの魂はこんなにも温かくて綺麗です」
「アリシア、君は……俺たちの本当の姿が見えるのか」
実は魔族たちこそが、かつて人間の強欲な王の呪いによって姿を変えられた本物の人間だった。本当の光と優しさに触れたアリシアは、自分を心から愛してくれる魔王ゼクスと共に生きることを決意する。
一方、アリシア救出を大義名分に掲げ、魔族を滅ぼそうと攻め込んでくる五万の人間の大軍。
愛する人たちを守るため、アリシアはついに固く閉ざしていた真実の目を開く!
「真の化け物たちよ。今こそ隠し続けてきた本当の姿を世界にさらしなさい!」
アリシアの祈りと魔王の魔力が交わるとき、数百年の呪いが反転し、人間たちの被っていた『偽りの皮』が剥がれ落ちていく――。