あらすじ

「レブリック・クヴェルテュール様。あなたとの婚約をこの場で破棄いたします」 聞き覚えのある声。トゲのある声色。睨めつけるような目に血の気が引いた。 ここは学園内にあるカフェテリア。放課後は生徒同士でおしゃべりをしたり待ち合わせをしたりお茶をしながら読書をしたりと各々自由に過ごしている。 ただ現在は学園に在籍している第二王子が側近や学友達と共に女生徒一人を囲んで楽しく話していたところに別の女生徒が乱入し婚約破棄を突きつけたのである。 殆どの男子生徒はポカンとしたが紅一点の女生徒だけが真っ青な顔で呆然と女生徒を見返していた。 それを忌々しげに睨みつけた女生徒は踵を返すと少し離れた場所にいた高位貴族令嬢達がいるテーブルに行き、「よくやったわ」、「正々堂々言えて素晴らしかったわ」と労われていた。 「またお前か。我々の憩いの時間に水を差すな!」 「ごきげんよう第二王子殿下。お茶会がなさりたいならわたくしとのお茶会にも来てくださればよろしいのに」 痛いところを突かれたのか第二王子は苦々しく歪めていた顔をわざとらしく背けた。 「御学友と親睦を深めるのは結構ですが一人不相応な者がいらっしゃるのでは?彼女一人で皆様をもてなすことはとても難しいと思いますが」 「彼女は僕の相談相手であり親友だ!使用人扱いするな!!」 底冷えする睨みに肩を竦めれば王子が令嬢の肩を引き寄せ守るように声を張り上げた。そんな彼に更に顔色を悪くすると侯爵令嬢は鼻で笑った。 「殿下もくだらない火遊びはわたくしの目が届かないところにしてくださいまし。これ以上目に余るようでしたらわたくしから婚約破棄を告げねばなりません」 よろしいですね。と言い残して取り巻きの令嬢らと去って行った。 「ネチネチと小言ばかり言う忌々しい女め!気にすることはないぞ!キミのことは僕が守る!」 「い、いえ、私のことは構わずどうか婚約者様と仲直りを…」 「ああ!あんな蛇のような目で睨んできたあの女を気遣ってくれるなんて優しいな!」 肩に手を回したまま感激する王子に顔を引きつらせたまま女生徒は侯爵令嬢らと一緒に去って行った令嬢の後ろ姿を思い出し悲しそうに眉をひそめた。

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小説を読もう2026/06/28
  • 現在の作品違うんです!殿下に侍ってるわけでも迫ってるわけでも婚約者様より優先されていい気になってもいません!だから婚約破棄しないでください!