あらすじ
現代。
妖は人の恐怖、土地の歪み、古い信仰の残骸から自然発生する。
しかし近年、発生した妖たちは異常な凶暴性を帯び、一般人を襲い、食い荒らし、退魔師でさえ手を焼く存在へ変貌していた。
その異常に対応するため、退魔師を育成する学園では、優秀な生徒にも実戦任務への同行が許されている。
篠宮陽鞠。
金髪ちょいプリン、金色の瞳、短めのブレザー制服、背中に弓、腰に日本刀。
精密な結界術と圧倒的な霊力を持つS級特待生。
綴喜朔夜。
銀髪ウルフカット、切れ長の黒目、二百センチの長身。
優等生に見えて授業をサボる、刀と霊符の天才退魔師。
陽鞠と同じくS級特待生。
二人は退魔師として最強ペアであり、恋人同士でもある。
任務前にはキスをする。
任務後にも、無事を確かめるように深くキスをする。
ゲーセン、クレープ、映画館、コンビニ、お泊まり、朝も昼も夜も、二人の距離は近い。
けれど、凶暴化した妖たちは、まるで二人の魂を呼び起こそうとするように襲いかかる。
陽鞠の中には、決して呼び覚ましてはならない力が眠っている。
朔夜の中にも、妖たちがひれ伏しかける危うい影がある。
そして、任務先で何度も鉢合わせる謎めいたS級退魔師・御影堂玻月。
彼は陽鞠へ奇妙な執着を見せ、朔夜を警戒し、妖の凶暴化事件の中心に近づいていく。
甘い恋。
激しい戦闘。
魂を狙う儀式。
過去に囚われた男。
名を伏せられた最後の敵。
陽鞠は叫ぶ。
「私は私だ。もう神の子にはならない」
朔夜は答える。
「俺は俺だ。お前の隣にいる男だ」