あらすじ
海だけが広がる未来。人類は巨大な船で暮らし、男女は「タイプA」「タイプB」として管理され、子どもは人工授精によって生まれていた。
中級市民の少女・ゆかりの楽しみは、「ミラスコープ」と呼ばれる装置を見ること。それは、失われた文明で自分が生きていたかもしれない人生を映し出す不思議な記録だった。
家族、仕事、子育て、四季、木々、雨――。
現代では当たり前だった何気ない日常に触れるたび、ゆかりは過去の人類が失ったものの大きさを知っていく。
やがて彼女は、失われた歴史を未来へつなぐ道を歩もうと決意する。