あらすじ

「あなたには、私が必要なのよね?」  マメで面倒見が良く、誰かの「救世主」であることに異常な執着を持つ主婦・金坂知絵。しかし、優秀で非の打ち所がない夫・昌磨には、知絵が入り込む余地などどこにもなかった。  満たされない渇きを抱える知絵の前に現れたのは、私生活も仕事もボロボロでルーズな昌磨の部下・岩田雅信。  「私がちゃんとしてあげなきゃ」――。  持ち前の“お世話焼き”を口実に、雅信の部屋、食事、金銭、そして心までをも完璧に管理し、支配していく知絵。雅信もまた、その歪んだ母性に甘え、寄生していく。  二人の泥沼の関係を、夫の昌磨は怒るどころか、奇妙なほど穏やかな笑みで見つめ続け、歓迎すらしてみせるが……。  本当に恐ろしいのは、狂気に走る不倫相手か、それともすべてを許していたはずの夫の「底なしの冷徹さ」なのか。  お世話という名の支配欲が暴走したとき、完璧に片付けられた部屋で、狂気の幕が上がる。

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カクヨム
カクヨム2026/06/28
  • 現在の作品冷たい手のひら、甘い寄生